世界の教育の流れ
私たちの考え方やカリキュラムに似ている、世界の教育の方向性を少しご紹介します。
01
国際バカロレアとは?
探究的に学ぶ世界的なカリキュラム
159ヶ国、5400校に通うの学生が、国際バカロレアのカリキュラムで学んでいます。
国際バカロレア(International Baccalaureate)とは、世界中を転勤する家庭の子どもが、大学に進学できるように国際的に認められる大学入学資格を作ろう!という動きから生まれました。
国際バカロレアは、どんな人物を育てるか?
国際バカロレアは、次の10を追求する人材を育てようとしています。それが、ラーナープロファイルと呼ばれるもの。
・Inquirers 探究する人
・Knowledgeable 知識のある人
・Thinkers 考える人
・Communicators コミュニケーションができる人
・Principled 信念のある人
・Open-minded 心を開く人
・Caring 思いやりのある人
・Risk-takers 挑戦する人
・Balanced バランスのとれた人
・Reflective 振り返りができる人
「うちの子、思いやりのある人になってほしい」「挑戦する力のある子になってほしいな」など思いませんか。
国際バカロレアの教育は、実は、世界中のお父さん、お母さんが「子どもにこうなってほしい」という思いが詰まっています。
02
問題解決型学習・PBLとは?
自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法
問題解決型学習(Project Based Learning)。これは別名「課題解決型学習」とも呼ばれ、知識の暗記などのような生徒が受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法のことを指します。生徒自身の自発性、関心、能動性を引き出すことが教師の役割であり、助言者として学習者のサポートをする立場で学習を進めて行きます。
また正しい答えにたどり着くことが重要ではなく、答えにたどり着くまでの過程(プロセス)が大切であるという学習理論のことで、1900年代初頭アメリカの教育学者ジョン・デューイが初めて教育現場で実践に取り入れたとされています。
問題解決型学習(PBL)が注目される理由
問題解決型学習(PBL)が重要視されている理由を知る前に、文部科学省が力を入れている「アクティブラーニング」について理解する必要があります。アクティブラーニングの目指すところは「正解・解答のある課題に取り組み知識・技能を得ること」ではなく、「正解のない議論(課題)を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけること」です。最終的に「主体的・協働的に問題を発見し、解決する能力」を養うことを目的としており、文部科学省が力を入れているのは、そういった能力をこれからの子どもたちに身につけさせたいからです。
そしてこのような「正解のない議論(課題)を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけること」を通して、「主体的・協働的に問題を発見し、解決する能力」をつけるために適した教育方法が問題解決型学習(PBL)であり、注目されている所以なのです。
03
社会性と情動の学び・SEL教育とは?
問題解決能力などの「非認知能力」をはぐくむ教育
SELとは、Social Emotional Learningの略で、日本語で「社会性と情動の学び」と言います。子どもたちの対人能力や共感力、自己理解や感情制御力を育てるための学習や体験を行うプログラムのことを指します。問題解決能力などの「非認知能力」をはぐくむことができるといわれる教育で、アメリカを中心にイギリスやカナダなどの学校で積極的に取り入れられています。
SELが注目される理由
現在、SELが注目される理由も大きく分けて2つあります。
1つ目は「人間力」が評価される社会に変化してきたことです。これまでは、「学力」や「運動能力」などの数値化しやすい能力で評価されてきました。しかし、近年では数値化できない「コミュニケーション能力」や「問題解決能力」などの方が、急速に変化する社会を生き抜くために必要な力であり、将来の成功につながりやすいと考えられるようになってきています。
2つ目は子どもたちの心を育てる教育の必要性が高まってきているからです。ストレス社会と言われる現代は大人だけでなく、子どもたちもストレスを感じて生活しています。親からのプレッシャー、過密なスケジュール、不安定な家庭環境、そしてコロナ禍における様々な制限や分断などが原因と考えられます。ストレスは、学習に影響を与えるだけでなく、心の成長にも大きく関わってきます。実際に文部科学省が令和2年に行った調査結果によると、不登校児童生徒数が8年連続で増加し、自殺した児童生徒数は過去最多となっています。
これらの状況を踏まえ、SLE教育を実施することで、子どもたちの自尊感情や他者認識を伸ばすことが期待されています。